いけばなの枠

華道家、いけばな作家、フラワーアーティストといったように、花をいける人の呼び方というのはさまざまにあると言えるでしょう。現代では、いけばなと言えども、花だけを扱う作品だけでなく、植物や、その種や根など、材料とされる素材は無限に広がりを見せており、もはや「いけばな」は現代美術という分野にも足を踏み入れているとも考えられるのではないでしょうか。昔からの遊びとして発展してきた押し花をはじめ、インスタレーション、芝居やダンスといった舞台美術などというように、大きく「芸術」として「いけばな」のボーダーラインというものが取り払われようとしているのではないでしょうか。そもそも植物というのは私たち人間が生まれるよりももっと前に存在しているものであり、それを「人間が使用する」という感覚自体が、人間のエゴではないかという考え方が広がっているようで、植物を、生命力の波動として捉え治し、植物への一体感という観点から作品が生まれている傾向にあるのではないでしょうか。植物と、それを育み、守るのは土地であり、海外などでは、その土地特有の植物への敬意などが反映されている作品が生み出されるなど、いけばなが解放されていく様子が感じられるのではないでしょうか。また、作品の中に種を撒き、その発芽を待つといった試みもされており、これもまた、時代を超えたいけばなの解放と言えるのではないでしょうか。