自己表現

いけばなというのは、植物で自己表現していると言っても過言ではないでしょう。フラワーアーティストとして活躍する人の中には、驚くことに、空間全体を使った表現方法を持つ人もいるようです。これは、華道の技術のほかに、建築的な感覚やセンスというものが求められるものであり、繊細さはもちろん、型破りな大胆さというものを持ち合わせていないと成しえないものと言えるでしょう。空間全体に植物の装飾を施し、総合的に美しい空間を生み出すためには、そのスケールの分、自身の器というものが重要視されるのではないでしょうか。自己表現としていけばなを捉えた時、フラワーアーティストの想像力の原点と言えるのは、その人自身であると言え、育ってきた環境などによって、作風は大きく左右されると言えるでしょう。つまり、いけばなの作風自体も、年齢を重ね、経験を重ねるごとに変化していくものであると言えるでしょう。芸術は「才能」と思っている方も多いかもしれませんが、植物と向き合うことイコール自分自身に向き合うこととして考えられるのが「いけばな」といえるのではないでしょうか。花を愛で、より美しい姿を求めていく姿勢というのは、人間としての豊かさを育てていくことであると言えるのかもしれません。自身の生きてきたすべてを注いで「美しさ」を模索し、創作し続けるということは、あらゆる芸術の本質であるのではないでしょうか